マシニングセンタ(MC)とは?3軸・4軸・5軸の違い

マシニングセンタ(MC)とは?3軸・4軸・5軸の違い

こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。

金属加工ではいくつもの専用機械を使用しますが、そのなかでも特に活躍してくれるのが「マシニングセンタ(machining center/MC)」です。マシニングセンタは、プログラミングによって穴開けから平面削りまでこなし、曲面などの複雑な加工もしてくれる金属加工の世界では代表的な機械ですが、業界経験が深くない方にとってはわからないことも多いでしょう。

今回は、そんなマシニングセンタについて詳しく解説していきます。

 

マシニングセンタ(MC)とは?

マシニングセンタとは、NC工作機械(数値制御の工作機械)やCNC工作機械(コンピュータ制御の工作機械)にATC(自動工具交換装置)が取り付けられた加工用機械です。日本工業規格(JIS)においては、「主として回転工具を使用し、フライス削り、中ぐり、穴あけ及びねじ立てを含む複数の切削加工ができ、かつ加工プログラムに従って工具を自動交換できる数値制御工作機械」と定義付けられています。

マシニングセンタはさまざまなパーツから成り立っている機械です。それぞれのパーツの特徴について、以下でご紹介していきます。

NC装置

NC装置は「Numerically Controlled Machine Tools」のことで、機械を自動で制御してくれる装置です。マシニングセンタの「頭脳」といえる部分であり、加工したい物質に対して工具をどう配置するか、数値情報によって指示してくれます。

ATC

ATCは「Automatic Tool Changer」の略称です。工具をセットするだけでなく、必要に応じて工具の交換を行ってくれます。

工具マガジン

ATCで使用する工具を収納するための装置です。納められる工具の数は基本的に30~40本程度ですが、マガジンを追加できる機種もあり、その場合は100本以上の工具を搭載できます。

中間アーム

工具マガジン内に収納されている工具を取り出す役割を持った機構です。

ベッド・コラム

「ベッド」はマシニングセンタの基盤部分であり、底辺を支える役割を持っています。そのベッド部分から垂直に伸びる柱が「コラム」です。マシニングセンタの機種によっては、コラムとベッドが一体化しているものもあります。

主軸(スピンドル)

取り付けた刃物などの工具を、回転運動させる装置です。主軸の回転数は、年を経るごとに高速化が進んでいます。

インデックステーブル

角度の割り出しができるテーブルで、「割り出しテーブル」とも呼ばれます。「1度きざみ」をはじめ任意の角度に設定することができ、これがあることで4軸加工や5軸加工といった複雑な加工が可能になります。

切削油タンク

加工時に使用する切削油を入れておくタンクです。加工の際には切削油がポンプで加工部分まで送られます。

 

3軸・4軸・5軸マシニングセンタの違いとメリット

マシニングセンタには3軸・4軸・5軸という3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、それぞれの特徴とメリットを見ていきましょう。

3軸マシニングセンタ

これまでのマシニングセンタはX・Y・Z軸の3軸がほとんどでした。3軸マシニングセンタは回転などを手動で操作する必要があり、時間・コスト・品質(精度)の面では4軸・5軸に劣ります。しかしその一方、平面削りや溝加工などの単純な加工の場合は、5軸が登場した現在でも「3軸のほうが精度を高められる」のがメリットです。

4軸マシニングセンタ

X・Y・Z軸に回転軸が付随したものが4軸マシニングセンタです。3軸マシニングセンタと違い、回転もプログラムによって操作ができるため、より複雑でありながら精度の高い加工を実現できるようになっています。

5軸マシニングセンタ

最近もっとも注目を集めているのが、4軸に傾斜軸を追加した5軸マシニングセンタです。X・Y・Z軸はもちろん、これまでは手作業による調整が必要だった回転や傾斜も機械で制御できるようになり、一度セッティングをすればその後の手作業が不要になりました。これにより、ヒューマンエラーのリスクが激減。さらに人が作業するのに必要だった専用台座や器具も不要になり、より短期間・低コストによる高精度な加工が実現しました。

 

超精密加工も!輪郭公差がミクロン単位のオーダーにも対応

畑鉄工では最新鋭の同時5軸マシニングセンタを導入しているため、3軸では対応しきれなかった輪郭度公差(曲線・局面の角度誤差の許容範囲)がミクロン単位の銅加工オーダーにも柔軟に対応できます。たとえ複雑な構造の依頼であっても、コストを抑えつつ超精密加工を実現できるので、まずは一度ご相談ください。

 

まとめ

今回は、銅加工のために不可欠な機械である「マシニングセンタ」についてご紹介しました。マシニングセンタにもさまざまな種類があり、それぞれの特徴については担当者として、事業責任者として覚えておいても損はないでしょう。

もしマシニングセンタを利用するような金属加工・銅加工の依頼を考えているようなら、「銅加工.com」を運営している畑鉄工へご相談ください。畑鉄工ではマシニングセンタを利用し、接続板や端子、電気接点、プレス金型など、多様な用途で活躍する金属部品を製造しています。

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