銅材の穴あけ加工に使う「ラジアルボール盤」とは?

銅材の穴あけ加工に使う「ラジアルボール盤」とは?

こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。

銅の穴あけ加工を行う際、具体的にどのような方法が用いられているかご存知でしょうか。銅は鉄とは特性が異なり、加工する機械も限られています。そのため、しっかり適切な方法を把握しておくと業者への依頼もスムーズに進められる可能性があります。

そこで今回は、銅の穴あけ加工を解説しつつ、その加工機械である「ラジアルボール盤」についても詳しく紹介いたします。

銅材の穴あけ加工はどう行う?

素材である銅を適切に加工できる製品は、実はあまり多くありません。現在、銅フラットバーや銅バーといった製品の穴あけを実施するためには、「ボール盤」や「ラジアルボール盤」などが使用されており、特にラジアルボール盤を用いるのが主流となっています。

これらの機械では、ドリルで銅を削りつつ穴を開けていく仕組みを採用。作業の際には高い技術が求められるだけでなく、ある程度の作業時間が生じるという特徴があります。

ラジアルボール盤とは

銅の穴あけ加工時に使用されるラジアルボール盤は、ボール盤の一種である加工機械です。ラジアルボール盤を使用することで、素材となる銅金属に対して穴あけだけでなく、リーマ加工やタップ加工も実施できます。

また、ラジアルボール盤にはアームがラジアル方向に旋回する点が特徴です。アームの上下左右前後のXYZ軸移動が可能となっているほか、高さの調整についても対応でき、柔軟な加工が実現します。また、ラジアルボール盤にはコラムに沿う形でラジアルアームが上下するものと、テーブルが上下することでワークの高さを調整できるものの2タイプがあります。

ラジアルボール盤以外のボール盤

ボール盤には、ラジアルボール盤以外にもいくつかの種類があると紹介しました。そこでここでは、ラジアルボール盤以外のボール盤について紹介します。

直立ボール盤

直立ボール盤とは、ボール盤の中でも基本的なタイプであり、床に直接ボール盤を設置して使用します。テーブルの形状は丸形・角型などいくつか種類が用意されており、穴の位置を決める際にはワークを操作。穴の場所を変える際には、ワークの位置を調整し再固定します。

卓上ボール盤

卓上ボール盤とは、作業台の上に固定する小型ボール盤を指します。その他の基本的な構造については、直立ボール盤と同じです。

多頭ボール盤

複数の主軸頭を持つボール盤を、ひとつのテーブルに設置するタイプが多頭ボール盤です。複数の主軸頭に対して異なる切削工具を装着しておくと、連続して異なる加工を行えるのが強みとなっています。

多軸ボール盤

多数のドリル軸が設置されるという特性から、加工時には同じタイミングで複数の穴を開けられるのが多軸ボール盤です。その特性から、大量生産時に使用されやすくなっています。

深穴ボール盤

深穴ボール盤は、「ガンドリル」「深穴加工機」という呼称も持っています。その名前の通り、基本的なボール盤と比べて深穴の加工に適しています。

タレットボール盤

タレットボール盤は、ボール盤に対して「タレット」と呼ばれる回転式刃物台が設置されていることが特徴です。タレットについては複数の工具が装着できるため、連続加工も行えます。

ラジアルボール盤のメリットについて

銅の穴あけ加工で活躍するラジアルボール盤には、いくつかのメリットが存在します。では、具体的にどのようなメリットがあるのか、ここで確認しておきましょう。

高効率

ラジアルボール盤の特徴として、上下左右前後に稼働する主軸頭が挙げられます。主軸頭が柔軟に動かせるからこそ、複数の穴を開ける加工であった場合にも、都度ワークの位置移動や素材の再固定といった工程は必要ありません。そのため、連続で穴あけの加工を実施する場合には、効率の良さを実感できるでしょう。

傷防止

ラジアルボール盤に設置された主軸頭が稼働する範囲であれば、ワークを移動させる必要はありません。これにより、ワークを固定する際に生じやすい傷や打痕の減少が期待できます。

柔軟な対応

ラジアルボール盤以外のボール盤の場合、ワークのサイズが制限されがちです。しかし、加工時にラジアルボール盤を採用すれば非常に幅広い範囲の素材に、適切な穴あけを実施できるでしょう。

まとめ

ラジアルボール盤には多くのメリットがあり、完成度の高い加工の実現が期待できます。一方で、ラジアルボール盤に限らず、ボール盤での作業は事故が生じるリスクが伴っている点も見逃せません。安全な作業による適切な加工を実現するためには、技術力のある業者への依頼が必要となるでしょう。

「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社では1935年の創業以来、銅を中心にさまざまな加工を実施してきました。長い歴史の中で培ってきた確かな技術があるため、もしラジアルボール盤での加工を検討しているようならぜひご相談ください。

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