株式会社ハタメタルワークスの運営する「銅加工.com」のブログのページです。|純銅のひとつ『りん脱酸銅』の特徴とは

高い電気伝導率、熱伝導率を持ち、光沢があり加工性に優れる銅は、加工の幅が広い金属といえます。そのような性質がある銅を脱酸することで溶接性を高めたのがりん脱酸銅です。

銅加工の専門家だからこそ、りん脱酸銅の種類や特長を活かした加工がわかりますが、依頼する際にもこうした情報を知っておくとスムーズかと思います。

そこで、このページでは、りん脱酸銅の特性やその種類、用途などを解説します。

りん脱酸銅の特性

99.9％の純銅に分類されるりん脱酸銅は、脱酸素のために少量のりんを添加してあります。酸素を含まないりん脱酸銅は、溶接やろう付けを要する部分に適した材料です。

りん脱酸銅は、曲げ加工性や絞り加工性などの加工性に優れ、高い電熱性、電気伝導性を持ちます。

ただし、同じ純銅である「無酸素銅」や「タフピッチ銅」と比較すると電気伝導性はやや劣ります。これは、りんによって電気伝導性が弱められるためです。

耐食性や耐候性も良好。かつ、タフピッチ銅と比較して水素脆性を起こしにくいので、給湯器や空調配管材、建築、水道用、電気冷蔵庫用、ヒューズキャップなど幅広い使用用途があります。

りん脱酸銅の種類

りん脱酸銅には、りんの添加量によってC1220とC1201に分けられます。それぞれ含有量の違いによって特性も異なるため、加工の際にはいずれのりん脱酸銅を使用するか選定にご注意ください。なお、似た名前の金属に『りん青銅』がありますが、まったく別の金属です。

りん脱酸銅（C1220）

りんの含有率が全体の0.015〜0.040％になるりん脱酸銅です。電気伝導率が無酸素銅やタフピッチ銅に劣ると言っても、元々電気伝導率に優れている銅がほとんどであるため、他の金属材料と比較するとはるかに優れます。

化学成分・物理的性質（参考値）

りん脱酸銅（C1201）

3種類あるりん脱酸銅の中ではもっとも電気伝導率が高いのがC1201です。

化学成分・物理的性質（参考値）

りん脱酸銅（C1221）

りん脱酸銅の中でもっとも純度が低いものの、99.75％以上の銅を含有します。

化学成分・物理的性質（参考値）

銅加工におけるりん脱酸銅の活用

りん脱酸銅は、純銅の中でも非常に高い加工性を持ち、特に絞り加工や曲げ加工、伸ばし加工が容易に行えます。

りん脱酸銅の軟化温度は180〜200℃とやや高め。そのため、板材は建材や仏具、銅管としてエアコンの部品などに広く用途を持ちます。また、先述の通り加熱によって水蒸気が発生しないため水素脆化を起こさず、ガスケットや給湯器などの部品にも適します。

りん脱酸銅の加工なら当社にお任せください

「銅加工.com」を運営する株式会社ハタメタルワークスは、「銅加工のプロフェッショナル」として長年お客様のお悩みを解決してきました。難加工でも対応できる設備を整え、さまざまな金属加工を承っています。

加工性が高く、さまざまなシーンに活用の幅があるりん脱酸銅も、もちろんご要望にお応えします。短納期やサイズなど、お客様のお悩み・ご要望に沿えるはずです。

ぜひ加工のご相談などは、りん脱酸銅に精通した当社へお気軽にお申し付けください。