オリンピックのメダルに用いられる金属「金」「銀」「銅」の特徴とは?
こんにちは、「銅加工.com」を運営する畑鉄工株式会社、代表の畑です。
2020年に開催が予定されていた東京オリンピックが2021年に延期されたことは、皆さんご存知かと思います。自国開催ということもあり、メダルラッシュを期待したいですよね。
ところで、メダルには「金」「銀」「銅」の3種類がありますが、それぞれに使われている金属がどのような特徴を持っているかまではあまりご存知ないのではないでしょうか?
そこで今回は、金・銀・銅それぞれの金属の特徴について詳しく解説するとともに、身の回りにある金・銀・銅の加工製品についてもご紹介していきます。
金の特徴
金は古くから希少価値の高い金属として扱われており、現在でも高額で取引されています。しかし、金の特徴はただ「見た目が美しく価値が高い」だけではありません。金は、高い万能性を備えた金属です。注目したいのが、金属の中でもトップクラスの展延性(延ばしやすさ)。わずか1gの金でも、引き延ばしていけば1m×1mの金箔(きんぱく)を作ることができます。
また、金は熱伝導・電気伝導においても優れており、どちらも金属の中で銀・銅に次ぐ性能の高さを誇ります。加えて酸化膜が表面にないという特徴から、圧接加工も簡単にできる金属です。
熱や湿気に対しては強さを誇る一方で、他の金属と混ぜて「合金」を作りやすいのもポイント。金合金は電気信号を高速かつクリアに伝えられるので、電子機器にとってなくてはならない金属となっています。
銀の特徴
貴金属の一種として扱われる銀は、金ほどではないものの価値が高い金属です。性質も優れており、金属の中では電気伝導率・熱伝導率・可視光線の反射率がもっとも優れている種類として知られています。
また金に次ぐ展延性を持っており、1gの銀を引き抜き加工で糸状にすると2,000m以上の線になるのだとか。金やプラチナを除くそのほかの金属と比べてイオン化傾向が小さく、さびにくいという点も見逃せません。
こうした性能の高さから、銀には工業用・宝飾用・投資用・銀器用などさまざまな用途があります。貴金属でありながらも身近な存在に感じられるのは、銀の特徴といえるでしょう。
銅の特徴
銅は「人類が最初に使った」という話もあるほど、常に身近に存在してきた金属です。銀に次ぐ熱伝導率・電気伝導率の高さや防錆性の高さに加え、銀に比べて安価で手に入るという特徴もあり、非常に幅広い場面で利用されています。
特に熱伝導率の高さが求められるキッチン用品には銅が多く利用されており、エアコン・冷蔵庫の伝熱管や硬貨にも使用されています。ちなみに、「銅が使われている硬貨は10円玉だけでしょ?」と思うかもしれませんが、実際は500円玉(ニッケル黄銅)や100円玉(白銅)、50円玉(白銅)、5円玉(黄銅)など様々な効果に使われています。
他の金属と比べてカラーバリエーションが豊富な点も、銅の持ち味といえます。
オリンピック金メダルの素材、実は「銀」?
オリンピックのメダルに使用されている金属「金」「銀」「銅」についてご紹介してきましたが、実は「金メダル=純金」という認識は間違い。オリンピックで使われる金メダルには純金から作られた「金張り」が使用されていますが、この金張りの主要な原材料は銀なのです。
オリンピックはさまざまな国で開催される大会です。その中には、決して豊かではなく、高価な金を十分に用意できない国もあります。そこで公平性を保つべく、オリンピック委員会は金メダルの原材料を「銀に金張りを施したもの」と定めました。2021年に開催される東京オリンピックでも、「銀に金張り」の金メダルが使用されるでしょう。
身の回りにもある、意外な金・銀・銅の加工製品やパーツ
今回ご紹介した金・銀・銅は、実は身の回りに数多く存在しています。
「金なんて身の回りで見たことがない」と思う方がいるかもしれませんが、金は電子部品の基盤やICチップの部品として用いられており、日頃使用しているスマートフォンにも使われています。そのほか、比較的よく目にするものでは、歯の治療において「金歯」として使用されるケースもありますね。
銀はフォークやスプーンといったカトラリーの素材になっているため、日常的に使用する方が多いでしょう。そのほか、フィルムカメラのフィルムやアクセサリーとしても銀は用いられています。
銅については、先にご紹介したように幅広い場面で扱われている金属です。食器や電子機器、自動車部品などに用いられるほか、家の手すりや浴室の備品に使われているケースもあります。
まとめ
今回は、オリンピックのメダルに使われる金・銀・銅についてご紹介しました。それぞれ特徴は異なりますが、いずれも優れた性能を備えている金属なのは間違いありません。「銅加工.com」を運営している畑鉄工株式会社では、こうした金属の加工に対応しています。加工を検討している方はぜひ一度ご連絡ください。
畑鉄工では、昭和10年の創業以来、特に銅に特化した加工を続けてきました。熟練の技術を持った職人たちがマシニング加工・プレス加工・絶縁処理・ロウ付けなどの方法で加工を行うので、質の高い銅部品の実現をお約束できます。
監修者情報
代表取締役 畑 敬三
株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。
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