難削材を精密に加工できる
「ウォータージェット加工」
銅加工.comが手掛けるウォータージェット加工とは、水と研磨剤を利用した加工技術です。熱処理が不要なため変形・強度低下のリスクが少なく、ランニングコストを抑えて難削材への加工ができます。このページでは、ウォータージェット加工の概要やメリット・デメリット、これまでの歴史や将来性などをご紹介します。
変形・強度低下のリスクが
少ない
「ウォータージェット加工」
Waterjet
「ウォータージェット加工」とは?
ウォータージェット加工とは「水」を使った加工です。変形・強度低下のリスクが少なく、コスト削減にもつながります。まずは概要と原理を見ていきましょう。
ウォータージェット加工の概要
ウォータージェット加工は、水と「ガーネット」と呼ばれる研磨剤を高圧噴射する加工方法です。加工に熱を使わず、曲げる必要もないため、変形・強度低下のリスクを抑えられます。環境やコストにもやさしく、将来性の高さにも期待されています。
ウォータージェット加工を実現させる原理
加圧した水流を高速で噴出することにより、穴あけ・溝掘り・掘削・洗浄といった加工を行うことが、ウォータージェット加工の原理です。強力な水鉄砲を想像すると、加工をイメージしやすいかもしれません。
ウォータージェット加工は大きく分けて3種類
ウォータージェット加工の種類は大きく3つに分かれます。それぞれの特徴をご紹介しましょう。
アクアジェット加工(ピュアジェット加工)
水流のみを使った加工法がアクアジェット加工です。FRPや紙などの比較的やわらかい素材の加工に適していますが、威力ではやや劣ります。
アブレシブジェット加工(AWJ)
「ガーネット」と呼ばれる研磨剤を水に混入させる加工法です。アクアジェット加工と比較して威力が強く、チタン合金やジュラルミン、セラミックなどの硬い素材も加工できます。
ハイドロジェット加工(ハイドロ加工)
研磨剤を含まない、Φ0.1~0.3mm程度の水流を使った加工法です。スポンジや軟質ゴムといった、やわらかい素材の加工に適しています。
ウォータージェット加工の成り立ち
ウォータージェット加工の開発が進められたのは1960年代以降です。1916年にソ連で行われた「水力採炭法」を応用する形で、アメリカやイギリスを中心に加工機の開発が進んだと言われています。1970年代には、現在の大型旅客機メーカー「ボーイング社」がアグレシブジェットシステムを確立し、現在に至ります。
ウォータージェット加工が持つ7つのメリット
ウォータージェット加工は比較的新しい加工技術ですが、そのメリットはさまざまです。ウォータージェット加工を選ぶメリットを7つご紹介します。
メリット①水溶性の材質を除き多様な材質を切断できる
ウォータージェット加工で切断できる主な材質は以下のとおりです。
<ウォータージェット加工で切断できる材質>
- 軟質材
- 硬質材
- 複合材
- 金属、非金属
- 通電材、非通電材
- アルミ合金
- 銅
- 真鍮
など
水溶性を除き多種多様な材質に対応でき、機能材や新規素材の加工にも適しています。
メリット②熱影響がなく歪みにくい
ウォータージェット加工では、加工部に対して加熱処理を行いません。レーザー加工やガス加工には加熱処理が必要なため、高温になった箇所にゆがみや反りが発生しがちです。ウォータージェット加工にはこのようなリスクがなく、加工の精度が高まります。
メリット③薄板を重ね切りできる
シム・ライナーといった薄板の場合、数枚を重ねた状態で穴開けや切断といった加工が可能です。これらの素材は熱影響を受けやすいこともあり、ウォータージェット加工はとくに適しています。
メリット④形状切断・加工にも適している
オーダーどおりに形状切断と切り抜きができることもウォータージェット加工の特徴です。2次元のみならず、3次元の立体形状加工もできます。
メリット⑤環境汚染のリスクが少ない
水と研磨剤だけで加工するため、大気中に粉塵が飛散する心配がありません。環境にやさしく、作業者への悪影響が及びにくいこともメリットです。
メリット⑥滑らかに仕上がりやすく作業工程を短縮できる
ウォータージェット加工による仕上がりは滑らかです。一例として板厚100mm前後のSS材に角穴を開ける場合、ガス溶断で切断後に角穴を削って仕上げるといった2工程が必要ですが、ウォータージェット加工なら1工程に短縮できます。
メリット⑦ロスが少なくランニングコストを抑えられる
精密な加工ができるウォータージェット加工なら、製品間隔を細かく詰めて加工できるため、その他の加工法と比較して素材のロスを抑えられます。また、切断後の端材を塊の状態で回収できるためリサイクル率が高く、ランニングコストが低いです。
ウォータージェット加工を依頼する際の注意点
メリットが多いウォータージェット加工ですが、いくつかの注意点があります。順番に確認しておきましょう。
注意点①水溶性の材質の加工はできない
水圧を利用するウォータージェット加工の特性上、水に濡れると溶けてしまう材質は加工できません。また、薄いガラスは水圧に耐え切れず割れる恐れがあるため、ウォータージェット加工には不向きです。
注意点②レーザー加工と比べて初期コストが高い
アブレシブジェット加工の場合、使用する研磨剤が高価なため、レーザー加工と比較して初期コストが割高になります。ウォータージェット加工が割安になるのは、従来の技術では加工が困難な素材を使う場合や、小ロットの生産を依頼する場合です。
注意点③機械加工と比較すると精度が低い
超精密加工が可能な機械加工と比較すると、ウォータージェット加工の精度はやや劣ります。ただし、加工する素材が薄い場合や、難削材を加工する場合は、機械加工との精度もほぼ変わりません。
ウォータージェット加工は将来性も期待されている
ウォータージェット加工は歴史の浅い加工技術ですが、将来性の高さが期待されています。たとえば航空宇宙産業には「軽量かつ高強度」な材料が不可欠です。そのためCFRPやセラミックスといった素材が好まれますが、ウォータージェット加工はこれらの材料の加工に適しています。従来の加工技術では加工困難な材料にも高精度な加工ができるウォータージェット加工は、これからの「ものづくり」においてさらに重要度を増すことでしょう。
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