NC加工の特徴と注意点、知っておきたいポイントを解説
銅加工の製造現場では近年、熟練工の高齢化や人手不足、取引先からの価格引き下げ要求等に対応するため、NC加工の導入が進んでいます。
一般的には馴染みの薄いNC加工ですが、こちらのブログにも度々登場するとおり、今日の金属加工業界において欠かせない存在です。
今回は、NC加工の特徴と注意点、知っておきたいポイントについて解説します。
NC加工とは?
まずは、NC加工についておさらいしましょう。
NC加工の「NC」は、「数値制御」を意味する「Numerically Control」の頭文字です。
数値制御装置を備えた機械(NC工作機械)にプログラミングを施し、機械が自動的に行う加工のことを「NC加工」といいます。従来、人がハンドルを握り操作していた作業が、機械によってすべて自動化されるようになりました。
1950年代にアメリカで開発されたNC技術は、日本にも導入され応用技術が大幅に進歩。今ではほぼ全ての工作機械にNC装置が標準装備されています。
大変利便性の高いNC加工、その特徴を3つご紹介します。
NC加工の特徴
安全性の高さ
銅加工は切削作業が伴うため、作業員が刃物や切り屑で怪我をする等、労働災害の危険性を常に孕んでいます。しかし、機械が自動的に作業するNC加工においては、作業員が直接作業にあたる必要がなく、安全性を確保しながら作業を行うことができます。
安定した品質
人の手で行う銅加工の場合、熟練工と新人作業員の仕上がりには、当然ながら差がありました。また、作業員の疲労や集中力低下といった人的要因により、品質にバラつきが見られることも。
その点NC加工においては、いつでも安定した品質のものを大量生産することができます。円弧や曲面など、手動では難しい複雑な加工にも対応可能で、医療品や半導体機器といった高い精度が求められる分野にも適しています。
コストの低減
NC工作機械を24時間稼働させたり、複数台を同時に稼働させたりすることで、注文数が多くてもスピーディな納品が可能です。また、複数の機械を作業員一人で操作できるので、人件費の削減にもつながります。
以上のように、多くのメリットを持つNC加工ですが、いくつか注意すべき点があります。
NC加工の注意点
高価な設備投資
NC工作機械を導入するには、NC制御装置やソフトウェアといった周辺設備が必要となり、その分コストがかかります。また、機械による作業ですので、加工物によっては切り屑が多く発生し、材料の多くが無駄になることも。制御装置が故障し、修理費用が発生する等、思いがけないトラブルも起こり得ます。
コストダウンを目的に導入したNC工作機械が、かえって収益を圧迫する可能性もあるのです。
プログラム作成が必要
NC工作機械の運用には、NC加工のプログラム作成が必要です。
加工物のクオリティを左右する、まさに「NC加工の要」とも言えるこの工程は、銅加工の技術や知識のみならず、専門的なプログラミング知識が必要となります。複雑な加工の場合、さらに高度な知識が求められることも。プログラムの難易度が上がると、人材育成にも時間と労力がかかります。
まとめ
今回は、NC加工の特徴や注意点についてご紹介しました。
機械の自動運転により、熟練工に匹敵する品質を持った加工物を大量生産できるNC加工ですが、1つの製品を生産するには、まず、プログラムを作成・入力するという独特の段取りが必要です。
複雑な形状の製品をくり返し生産するには適していますが、条件によって、他の加工方法が向いていることも。従来の汎用機と使い分けをしながら、取引先の依頼内容に合った加工方法を適切に選択することが重要です。
様々な方法を視野に入れ、企業の生産特性に合った導入を行うことが、NC加工の利点を最大限に生かすポイントであると言えます。
監修者情報
代表取締役 畑 敬三
株式会社ハタメタルワークスは、産業用電池や車輌機器向けの「銅加工」を専門とし、昭和10年の創業以来「誠実な対応」と「確かな製品」で信頼を築いてきました。迅速な対応により最短翌日納品が可能で、小ロットにも対応します。「小さな一流企業」を目指し、「銅加工ならハタメタルワークス」と評価されるまで成長。今後も独自の価値を提供し続けます。
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